大手人材派遣会社に勤める宮川は人事部に所属し、新入社員の採用を決める担当者である。しかし、宮川が学生と直接面接をするわけではない。この会社では採用業務をアウトソーシングしているのだ。外部委託先からやってきた松本は採用のスペシャリスト。彼が選考した学生の面接映像を宮川が最終チェックし、内定者を決定した。高野麻未もその中の一人である。 入社式を迎え、初めて対面した麻未にふと違和感を覚える宮川。風貌が記憶と違う気がした。そんなある日、宮川は街で就職活動中の女子学生とすれ違い、唖然となる。その人物こそ宮川が知る「高野麻未」だったのだ。宮川は尾行をし、彼女が就職試験の替え玉受験屋であることを突き止める――。
